こんにちは。
オランダで暮らした時間を、気ままに綴っています。
風車、ミッフィーちゃん、チューリップそしてドラッグ。
オランダに行くと決まってから、周りに聞いたかの国のイメージはこんな感じでした。
もちろん、私自身も同じく。
ヨーロッパに憧れはずっとありましたが、それでも学生時代に研修でフランスを回って以来、めっきり関心はパリ。
古い建物の間から見える空が、日本につながっているのが不思議すぎて、いつか住んでみたいな、なんて漠然と思っていました。
それが、縁あってオランダに。
ある意味夢が叶ったことにびっくりする一方で、あまりに意識していない国だったので、不安でしかありませんでした。
中部国際空港からヘルシンキ(フィンランド)で乗り換えて、スキポール空港へ。
スキポールは想像していたより活気のある空港で、背の高い外国人(オランダ女子の平均身長は170㎝)が颯爽とまっすぐ前を向いてガシガシ歩いている、そんな雰囲気でした。
なにしろ、私が知らないだけで、スキポール空港の旅客数は、当時欧州において第3位。
ヒースロー(イギリス)・シャルルドゴール(フランス)につぐ、巨大なハブ空港です。
オランダの人のみならず、ヨーロッパ各国から右往左往、いろんな人種が歩き交わっているのです。
ただでさえ格好の良い人たちが、迷うことなく行き先に向かって歩く空港。
要点だけいうアナウンスと、立ち飲みのカフェでうなるスチームの音と、たくさんの足音。
そのなかに降り立った、斜め掛けバッグで両手に子どもを連れたアジア人。
私、子どもを連れて、とんでもなく、遠いところまで来てしまった…。
着いたのは12月も暮れ近くだったので、寒くて暗くて静かで、が最初の印象。
なにせこの時期は、朝8時半に日が出て、夕方4時半には日が沈むので、日がとても短いのです。
くわえて、雨も多い国なので曇り空が日常。
朝日が眩しくて目が覚める、なんてことはないのです。
(余談:日本に一時帰国した時に、冬の日差しが眩しすぎて目が開けられなかったことも…)
それでも、雲が分厚いグレーの曇り空に映えるレンガ造りの建物の美しさといったら。
観光エリアの古い建物はもちろんですが、私たちの住むなんてことない住宅地ですら、美しい。
住宅はオレンジに近い茶色のレンガで造られたものが多く、まとまった印象を与えます。
そしてアクセントとして、原色を差した配色。
彩度高めの青だったり、マットな赤だったり、なぜか蛍光なピンクだったり。
落ち着いたなかに、時折見せるカラフルな配色は、オランダ人のまだ見ぬ美意識の表れな気もしました。
現実であって現実でない、でも明日から自分たちはこの国に暮らすんだ、といった不思議な心持ちは今でもわすれられません。
旅行ではなく、生活。
ひとつずつ、暮らしが始まり出しました。